2014年08月25日

台風接近・・・大平建築塾第2期ファイナル

 台風11号が迫った週末、大平建築塾実行委員会では、8/9(土)から開催を予定していた大平建築塾の実施が可能かどうかの判断に迫られていた。
特に今回は、第2期10回目で一区切りをつける重要な回と位置付けていた建築塾であり、飯田市で最大のイベントである人形フェスタの1会場を大平の紙屋で計画してきた私たちとしては、何とか実施したいというたいへん強い思いもあった。
気象庁のHPでの台風の予報円、雲の動きなど、長野県付近での状況は微妙な状況にも見える。飯田市とも連絡を取りながら、情報収集を行なう。飯田市への影響は30%程度という市からの情報を得て決行の判断となった。
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ss-2014_0809_0019.jpg飯田市内から大平宿までは、20ミリ/hの降雨量があると閉鎖されてしまう峠道。上がれても下りられるのかという不安もあった。初日、3日目は何とかなるだろうが、2日目への雨の影響は台風が遠くにあるからといても懸念されていた。 
結果としては、案ずるよりも生むが易し。
無事に当初のプログラムはほぼ予定通りに進めることができた。毎回このような場合に決行するということではないが、今回は「良し」ということで安堵した。
関西方面からの参加予定者でのキャンセルが数名あったが、3日間で66名の参加者を得る。
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 【初日】 
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若干雨も降ったり止んだりを繰り返していたが、2時半からの開塾式は無事に済み、民家調査等の分科会へ。
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2班に分かれ、さかえ屋の現況調査と3日目の八丁屋の調査のための練習として紙屋で実測調査を行なう。
紙屋の改修前の間取り図を見ながら、現状との違いを確認、観察。土間部分の軒桁位置での矩計図を作成する。
参加者の多くは学生でもあり、木組みの骨組みをまじまじ見ること自体はじめての人が多かった。その分、面白かったことと思います。たぶん。
大平での3日間は、プログラム上は隙間があるように見えるけれど、けっこう予定が詰まってしまう。
炊事、風呂焚きなど火をおこすところから始めなければならない。その前に当然のこととして薪割りが必要となる。
丸太から割る必要まではないけれど、火おこしするために、小さく割っておくことは必要だ。 
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部屋割りされた民家では自ら仕事を探すことから始めなければならない。先の薪割り、囲炉裏や竈の火おこし、風呂焚き、掃除、障子の張替えなどなど。
都会生活とはまったく異なった「生活の原体験の場」として大平宿はその存在意義をPRしている。 もちろん、携帯電話はつながらない。だから、LINEだってできないのだ。
夕食は、大平鍋。竈や囲炉裏での料理は鍋物か焼き物が定番。ただ、煙で目が痛い。 この煙はやっかいで、身体や髪に染みこみ、大平から帰ってきても数日は匂いが取れないような気がする。
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△しゅうしゅう芋
懇親会では、大平宿の歴史を学ぶ紙芝居「峠の村のものがたり」の上映。これは、吉田桂二さんが平成8年に描いたもののスライド。語りは益子昇兄。
ベテラン参加者にとっては毎度おなじみではありますが、初の参加者にとってはこの大平宿の歴史的概要をつかむのには一番分かりやすい。 
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紙芝居の内容は動画(以前のもの)でどうぞ。  
  

 【2日目】 
6時半起床。ちょっと眠い!
雨が降ったり止んだりは変わらず。風も強くなってきた。夜半にも強い雨が降っていて、雨音で目も覚ました。台風は上陸してもその動きは早まってはいないらしい。
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午前のメインは、大平宿で初の人形フェスタ。実行委員会で企画したあやつり人形の公演が行なわれる。
市内からの来場者が上って来てくれることを期待していたけれど、台風では無理なこと。しかし、下の民家に宿泊中の方々が来てくれたのは大変ありがたかった。
公演が始まる直前に、午後の座談会のメインゲストの後藤先生も無事到着。倒木は、まだ無かったようだ。(この日、午後に帰る車は倒木で一時的に足止めされた)

江戸糸あやつり人形の公演 
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昼食は、生活文化同人代表の小林一元さんが打ったうどん50食。
朝からのしこみ、お疲れさまでした。
美味しくいただきました。
 
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今回は、大平建築塾の2期10回目の節目となり、私たち自身も大平宿とどのような関わりを持って行くのかを考える時機でもある。
工学院大学の後藤治先生を招いて「離村から45年、これからどうする大平」と題しての座談会を企画した。
文化庁時代から歴史的建築物や町並の保存修復などの制度づくりに関っておられる先生から、これからの大平宿の方向性へのヒントを引き出せるかがポイントでもあった。
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先生の「答えは簡単にはありませんよ」から座談会は始まる。それはそうなのだけれど・・・。

大平の魅力も必要だけれど、飯田市そのものの魅力が重要。
建築だけのアプローチでは力が足りない、他の分野の人達も巻き込こめるか。
地元が動く仕組みづくり。などなど解決すべき課題が多いことの確認にもなった。
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特に、東京と距離の離れている私たちができることは何か、毎回問い直していることなのだが、地元や行政との関わりの度合いもようやく増えてきている。
東京に戻ってから今年も皆で確認していくことになる。

夕食後の紙屋さんでの懇親会はだいぶ遅くまで、皆さん語り合っていたような。
今年は学生の比率が多かった。
おじさん(たち)。説教しっちゃったかな?
ご無礼があればご容赦願いたい。

【3日目】 
7時起床。寝坊した。でも眠い!
 
朝食後、今回の目的の1つでもある、改修後今まで未チェックの八丁屋の現況調査。
床の不陸、柱の傾き、破損状況調査などを手分けして行なう。
谷側に若干引っ張られているようにも思える。浴室土間に大きなひび割れと高さが下がっている状況が観察できた。

屋根の軒先廻りは、冬の雪の影響もあり改築後20年を経ての状況は痛々しい。
建物周囲には落ち葉が積もり、腐葉土化した土に接してしまう土台の腐朽も激しい。
早急に手当てが必要でだ。調査結果は、まとめて報告書を作ることになっている。
 
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ss-2014_0811_0002.jpg 「おおくらや」に倒木。
風で倒れたようだ。

「おおくらや」も痛み具合が気になっている。この集落の中では一番古い江戸後期のもの。改修を直接担当したものとしては、再び補修してもとの姿に近づけてあげたいけれど。

台風の影響が残り、強い雨がまだ降ってくる。紙屋の中で閉塾式。
大きなトラブルも無く、第2期10回目の大平建築塾は無事終了。通算で20回、20年という区切りでの回でもあった。
2泊3日ではあるけれど、その準備には仲間の多くの労力が必要となる。
閉塾式の後、ようやく青空ものぞき出した。

市内に無事に下り、企画課、観光課の担当官にお礼の挨拶のため市役所に立ち寄り、合わせてこれからの大平宿についての意見交換をする。
私たちとしては、健全に民家が保存活用するためには、痛んでいるところの補修などを計画的に行なうことが急務である事を伝えた。行政としてもその認識は共有してるものの、そのための仕組みづくりに課題を残しており、課題解決の糸口を探っていてはくれているのだが・・・。

大平から降りてくると、身体に煙の臭いがびりついている感じがする。(このまま電車に乗ると隣の席の人が席を変えることもあので注意)
市内に眺めの良い温泉があり、それに浸かってから帰途に付く。
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posted by 太郎丸 at 09:46 | Comment(0) | 大平建築塾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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