
こちらの問題もあるのだろうけど、眠い目をこすりながら講義を聴いていても頭に入るものではないので、体験することがいちばん。課題は実際の木造住宅の工事現場へ行って、架構や材料を調べ考察すること。講義はその予備知識を伝えること。これは先任のIさんから続けていること。
実際に現場で棟梁や現場監督などに話を聞き、まだよく分かっていない自分達の頭を整理してもらう作業は、学生にとっても良い経験になっているという感想が多い。(とこちらが思っているだけかもしれない)
どういう現場にめぐり合えるのかはほとんど偶然でしかない。昨年も同様のことを書いているが、1回目の木造住宅の架構についての課題でその傾向を見ると、
課題の提出数:80 (2クラス合計 4名前後でチームを組んでいる)
伝統的構法:13 (内木住研分11)
在来構法:59
金物構法: 2
2×4工法: 6
伝統的構法の内、松戸でのワークショップに参加しているグループ分が11あったので、それがなければ、在来の割合がもっと大きくなっていただろう。同一の現場を複数のグループで見ている場合があるので、この数字と現場数は必ずしも一致しない。
圧倒的に在来構法が多く、建売住宅や注文住宅など供給形態も異なることもあるが、細かく見ていくと、使用する木材、耐力壁の構成、2階床の構成などさまざまな組み合わせが混在している。木造軸組構法というだけで一緒にくくりきれないように思われた。
59の内、大手住宅メーカーの看板で工事をしているものは数棟であり、大元の受注の形態は不明だが地域工務店、大工棟梁がそれらの工事を担っているように見受けられた。
木造架構の刻みの多くはプレカット工場からによるものが多く、柱、梁に集成材が用いられ、2階床下張りには24〜28mm程度の厚合板張りのいわゆるネダレス工法で構面を固める最近の傾向が多く見受けられた。
土台と基礎の関係では、基礎パッキング工法が今や軸組みに限らず、2×4工法でも見受けられ、標準仕様として定着してきていることがわかる。その形もいろいろと新製品がでているようで、はじめて見たものなど、こちらもよい情報収集になっている。

定義は別として、伝統的構法は3棟あり、民家の再生1、新築2。数としてはこんなものなのだろう。今回はタイミングよく松戸で現場が動いていたので、学生20名が取材を兼ねてワークショップへ参加してくれたので、良い教材を提供できたのだろう。ほとんどが建築の視点で木造住宅を見るのがはじめてだったと思うけれど、木組みの家の一端を感じ取ってもらえたのではないだろうか。
土壁まで塗れたのだからラッキーと思ってもらいたいのだけれど、もともとはじめてであったとしたら、こんなものかと思ったかもしれない。それはそれで、これから他の木造住宅を見るときに比較する基準としてもらえればよいのだろう。
[2005.04.27]

