今回は、あえて第1回として大平建築塾の再スタートと位置づけられている。半数程度は初めての参加だが、すでに複数回参加の参加者には、今までとはいくぶん雰囲気が違うと思われたのではないだろうか。

[正面:満寿屋 右:紙屋]私たちも参加した9棟の民家の改修からすでに11年あるいは12年の時間が経過している。(2棟は火災のため平成12年に新築されている)大平は冬季の積雪の影響もあり、その手当てが十分に行ないにくい状況がある。また、近接した周囲のカラマツの成長も進み、一見田舎の風景の面持ちもあるのだが、建物にとっては必ずしも望ましい環境とはいえない。ここ数回の大平建築塾へ参加して感じていたことは、個々の民家の痛み具合が年毎に進んでいることだ。また、利用者のモラルによるところが大なのだが、人為的な破損の様子などもうかがえ、内部壁や建具などの傷みも激しくなっている。これがずっと気になっていた。
大平宿は江戸後期に建てられた民家もまだ残る無住の集落で、昔と比較すれば隣り合う民家が減ったとはいえ、ある程度のまとまりをもって残っている集落はめずらしいといわれている。
現状を維持しながら保存し、活用していくためには、日常の手入れで可能なのか、部分補修で対応できるのか、大規模な修繕で対応しなければならない状況なのかを判断する必要がある。生活文化同人として直接民家に手を加えることは、費用面と時間面からも現実的ではないと同時に建築関係の専門家の多い私たちとしては、安易に手を加えることを良しとはしなかった。今、できることは、今の状況を確認し、それを元にどういった判断をすることが必要なのかを考えること、とした。その基準をつくることが今回の現況調査の目的であり、今回の大きな柱となった。

[水盛り管で高さの調査 下げ振りで傾きの調査 周辺整備]
また同時に、すでに10年以上の時間の経過と共に大平建築塾への参加者の平均年齢も単純に10歳は上がってきたわけだが、これからのことを考えると若い世代の参加も必須な状況と考えられた。大平宿に接することで何かをつかみとってもらえる場の提供も今回の大平建築塾のもう一つの柱となった。

[学生を中心にワークショップ:4グループある 中間発表]
建築や環境に関心を持つ学生の参加が多かった。学生フォーラムと銘打って行なわれたワークショップを通して、深夜まで民家の中で議論が繰り返されたようだ。発表にはそれぞれに現段階で何かをつかみとろうとした姿勢を示してくれたと思う。次へ向けて協働していけるものと期待したい。
実行委員長としては、事故なく無事に終えられてホッとしている。多くの実行委員と参加者の皆さんに感謝したい。
[集合写真は生活文化同人のHPより拝借] *画像クリックで拡大
第1回大平建築塾2004の様子は、これから調査報告と同時にまとめる予定で、データとしても公開したいと考えている。
※関連情報は生活文化同人のHPへ
[2004.08.09]
※第1回大平建築塾に参加した
石澤さんのHP パート1 パート2
土岐さんのHP
[2005.03.15]更新